自筆証書遺言と公正証書遺言の違いとは

ドラマや映画では「遺言書」を巡る親族間の争いが良く出て来ます。
良くあるのは「本当に本人が書いた遺言書なのか。偽造されたものなのではないか」「遺産を多く貰う人に無理やり書かされたのではないか」という展開です。

本当に本人の意思で書かれた遺言書なのか。そういった疑問を持つ人がいるのは、その遺言書が「自筆証書遺言書」だからだと思います。

日本における遺言書の形式は「自筆証書遺言書」「公正証書遺言書」が一般的です。
自筆証書遺言書は、その名の通り「自筆で作成する遺言書」です。一方の公正証書遺言書は、「公証人が作成する遺言書」です。

【自筆証書遺言書】
・遺言書を残す人が手書き(自筆)で作成するもの
・手書きではなくパソコン等で作成したものは無効
・遺言書に添付する「財産目録」はパソコンでの作成や通帳のコピー等が認められている
・民法に定められている遺言書の要件を満たしていなければ無効

<メリット>
・簡単に作成できる
・作成費用がおさえられる
・法務局の自筆証書遺言書管理制度を利用すれば遺族に遺言書保管の通知が届く

 <デメリット>
・法的知識が無く作成した場合、無効になる可能性が高い
・法的知識が無く作成した場合、結果的に本人が意図した内容とは違うものになる可能性がある
・相続手続を行う場合、家庭裁判所での検認手続きが必要
・法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用した場合、検認手続きは不要だが相続手続には、法務局発行の「遺言書情報証明書」の取得が必要
・法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用する場合、本人が窓口まで行く必要がある

【公正証書遺言書】
・遺言者の依頼により公証人が作成する遺言書
・遺言者、公証人(元裁判官、検察官等)、証人2人の立ち会いのもと公証役場で作成
・公証人と証人、合計3人が遺言者の意思を確認する
・公証人が作成する為、法的に有効な遺言書となる

<メリット>
・手書きをする必要がない
・公証役場に行く事が困難な場合、出張して貰える
・すぐに相続手続を開始出来る(検認も遺言書情報証明書も不要)
・公証人など利害関係のない第三者が本人の意思を確認している為、争いが生じにくい
・公証役場で保管される為、紛失の心配がない

<デメリット>
・公証役場が定める手数料がかかる(財産の総額により手数料が定められている)
・士業、証人への報酬が発生する
・自筆証書遺言書保管制度にはある遺族への通知制度がない

どちらの方法を選ぶとしても、法的に有効な遺言書を作成するには、私たち行政書士等の士業に依頼し文案作成依頼をするのをおすすめします。
公正証書遺言書の作成も、基本的には行政書士等の士業が依頼者のご意向に沿った文案を作成し、公証人と遺言書を作り上げていきます。

今の時代、メールやLineが普及し、手書きをする事はめっきり減ってしまいました。遺言書ぐらい自分で書ける、と思っていてもいざ手書きを始めてみると、若い方でも案外ハードルは高いとおっしゃいます。また、法務局の窓口まで出向く事も、特にご高齢の方には大変なようです。

一方の公正証書遺言書は、公証人が作成した遺言書に、ご本人がご署名、ご捺印されれば完成します。ご高齢の方やご病気で出向けない方は、公証人に出張して貰えます。
また、相続人の間でトラブルが予想される場合には、疑義が生じにくい公正証書遺言書が一番適していると言えます。

遺言書を作成しようと考えられた時には、費用のみならず、ご自身の体力、相続人の状況、遺言書の内容を知った時の相続人の反応等を考えて自筆が良いのか、公正証書が良いのかお考えください。

遺言書を作成した方が良いのかどうか、作成するならどの形式が良いのか、迷われた場合は、ぜひご相談ください。
当事務所では、遠方の方からのご依頼も、オンラインなどを利用してお受けしています。いつでもお問い合わせください。

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