ご家族が亡くなられた直後の手続き(前編)

先日、親御さんを亡くされた方から「死後の手続きについて、何をどうすれば良いか分からない」と相談を受けました。その気持ちは良く分かります。

私も数年前、独身の叔父を亡くし、全ての手続きをする事になりました。初めての経験でしたし、東京の叔父だったので単身東京に滞在しての手続きとなり、かなり大変だったのを覚えています。限られた時間で漏れなく手続きを終えるため、まさしく怒涛の日々となりました。

しかも、自分の親ではなく叔父なので、家の中のどこに何があるのか全く分からず、手続きに必要な書類を探すのにも苦労しました。因みに、エンディングノートも遺言書もない状態でした。故人の意思表示が無いので私が全て決定しなければならなくなりました。
この経験から、亡くなった直後の手続きをまとめたら、少しは皆さんのお役に立てるかもしれない。そう思い、今回は亡くなられた直後の手続きについて書いてみようと思います。

人が亡くなった時、最初に必要になるのは葬儀会社への連絡です。色々な会社があるので良く調べて連絡してください。正直亡くなられた時に探している時間は無いので、出来れば事前にネットで検索等しておく方が良いと思います。故人が生前葬儀会社と契約されていた場合はその会社に連絡しましょう。

葬儀(葬儀をせず火葬のみを行う場合も含む)を依頼すれば、病院までご遺体を迎えに来てくれます。
その後、どのような内容の式にするのかを葬儀会社と話し合う事になります。
葬儀会社への支払いですが、葬儀会社や葬儀の内容によっては銀行振込、クレジットカード決済は不可で、現金で直接払うように言われる場合があります。現金の用意が必要になります。
また、支払い期限は葬儀後1週間以内が多いと言われていますが、プランによっては事前の支払いや葬儀当日が期限となっている場合もありますので、良く確認してください。

葬儀会社が決まったら、次は「死亡届(死亡診断書)」の提出です。これは故人が死亡した病院の医師が作成してくれます。「届出人」の欄にあなたが必要事項を書き、葬儀会社の方が役所へ提出に行ってくれるのが一般的な流れです。この書類の提出期限は亡くなった事を知った日から7日以内です。死亡届のコピーは後々必要になるので5部程度取っておきましょう。(葬儀会社の方がコピーしてくれると思います)
また、「葬儀費用の領収書」は必ず取っておいてください。後日必要になります。

故人を荼毘にふす時に必要になる「火葬許可証」は、通常葬儀会社の人が「死亡届」を提出する時に役所に申請し、入手してくれます。そして火葬後、遺骨の箱の中に入れてくれます。後日、墓地への納骨の時に必要になります。その時には「火葬許可書が見つからない!」と慌てず、遺骨の箱の中を確認してください。

ここまでは、葬儀会社が役所への手続きを通常は代行してくれますので悩むことはないと思います。さて葬儀が無事終わりました。ここからはご自身が行う手続きとなります。

手続きに必要な書類を探して、故人が住んでいた地域の市役所又は区役所へ手続きをしに行きます。役所に行く前に探し出しておくべきものは次の通りです。

①故人の健康保険証(後期高齢者医療保険証、介護保険証等も含む)
➁故人の年金手帳(無ければ、年金機構からの葉書を探してみましょう)
③その他、印鑑登録証(カード)、障害者手帳など行政(役所)から故人に発行されているもの一式

上記の物を探す時に、遺言書、エンディングノート、預金通帳、生命保険の証書なども一緒に探してみてください。

銀行の貸金庫を借りている形跡があれば、手続きは少し複雑になってきますが、その中に大切な物が入っている可能性は高くなります。貸金庫は相続人全員の立ち合いがなければ開けて貰えません。つまり、故人の出生から死亡までの戸籍を取り寄せ、法定相続人を特定し、全員立ち合いのもと金庫を開けるのです。相続人が1人なら簡単ですが、人数が増えるほど大変な作業になります。
貸金庫のカードや家の鍵ではない、小さな鍵が故人の持ち物の中にあれば、貸金庫を借りている可能性が高いと思ってください。

長くなってきたので、市役所(区役所)での手続きについては後編に続きます。

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