今年の行政書士試験まで後2か月

毎年1回、11月に行われる「行政書士試験」まで2か月となりました。
今年の試験は11月13日です。受験生の方はそろそろ追い込みに入っている頃だと思います。私も去年の今頃はひたすら受験勉強をしていました。そんな受験生の方が読まれているかどうかは分かりませんが、エールを送るべく今回は試験の話しをしたいと思います。

直前期は、とにかく条文の覚えこみと重要論点の洗い出し、そして過去問の復習をしていた記憶があります。直前期には「身を削る」とはこういう事か、と思ったものです。
学生の頃と違い若くはないので、身体的にもかなりのダメージを受けていました。

私の場合、過去2回連続して合格点に4点足りない176点で落ちるという経験をしてからの3回目のチャレンジでした。もしこれで落ちたら、4回目は正直体の方が耐えられないのではないかと思う激しい消耗でしたので、今年で終わりにするのか、次も頑張るのかどうしようと心が揺れていたものです。

行政書士試験は休憩なしの3時間60問の試験ですので、かなりハードな内容だと思います。とにかく自分との闘いの濃密な3時間です。

初めて行政書士試験の試験会場に足を踏み入れた時には、空席の数と試験中の退席者の多さに驚いたものです。まず、申し込んだけど、試験会場にたどり着けなかった人が結構居るという現実を目の当たりにしました。そして、6割取れれば合格する試験ですが、そんな甘い内容ではないので、恐らく分からない問題を前に3時間座っている事に耐えられなくなった人たちの途中退場が続出。本当にハードな試験だと感じた初年度でした。

さて、そんなこんなで3年かかりましたが、なかなか超えられなかった180点の壁を突破して、遂に200点超えで合格する事が出来ました。偉そうな事は言えませんが、今頑張っている人の力になれたらなと思い、試験に対するアドバイス的な事を書いておきます。

・重要条文を覚える
特に行政法は暗記するぐらい読み込みます。基本の条文が頭にしっかり入っていれば、問題文に惑わされる可能性が低くなります。また、記述対策としても必要です。試験前はとにかく問題を解きたくなると思いますが、条文がしっかり入っていないと問題に惑わされてしまいます。基礎の基礎、重要条文はとにかく暗記し、他の条文との比較等もしっかりしておいてください。

・過去問と模試について
模試は本試験とレベルがちょっと違うものが多いと感じています。本試験は解いてみると分かりますが、良く出来た問題が多いです。模試を受ける時には、一喜一憂せず、時間配分を覚える為に受けているという感覚を半分ぐらい持って臨むのが良いかもしれません。勿論基本問題は落とせませんが、結果に落胆せず試験に慣れる為に受けている、という事を忘れずに。解けなかった問題は、重要論点は押さえても良いでしょうが追いかけず、教科書、条文を復習する方が点は伸びます。
そして過去問はやって当たり前ですが、解答を覚えて解ける、では意味がありません。何故そうなるのか、理由をちゃんと理解しておきましょう。過去問を何周したかではなく、どれだけ理解したかが重要です。

・商法は追いかけず、でも捨てず
商法は非常に幅広い科目です。でも5問です。でも捨てる科目ではありません。そして、実務では必要な知識となります。深入りは絶対にダメですが、要点を押さえる必要はあります。

・記述問題が合格の鍵です
記述が書けるという事は、全体に理解が深まっているという事です。逆に記述が書けないという事はまだ学習が浅いという事です。記述は合計60点ですので、取れるかどうかが勝敗の鍵とも言えます。昨今採点は厳しくなってきていると思います。条文を正確に覚え、条文通りではない方向から問われた時にも答えられるよう、深い理解を心がけておいてください。

・時間配分を決めておく
私の場合、法令択一75分、記述15分、一般知識30分、残りで飛ばした問題と多肢選択というざっくりとした配分でいました。多肢と見直しで1時間取っておく感覚です。予め決めておいた配分で進んでいる事が確認できると、気持ちが落ち着きます。模試で時間の感覚を掴んでおきましょう。

・試験会場に好きな過去問を持って行く
当日、試験会場に入ると独特な雰囲気があり緊張がピークになる人が多いと思います。過去問を2、3問持って行き、会場で解いてみて、解ける事を確認すると少し心が落ち着きます。やってみてください。

・解ける問題から解いていく
試験開始後、どこから手を付けるか悩む人は多いと思います。私は試験が始まったらまず、各カテゴリーのページの角を折って行き、法令択一の行政法→民法→基礎法→憲法→商法、記述、一般知識の文章問題3問から始めて全体、多肢選択、飛ばした問題、の順で解いていました。
頭から解いていかないのは、試験開始直後は緊張していてまだ落ち着いていないので、確実に解ける問題が多い、行政法から始めて落ち着くのを待つのがベストだと思っていたからです。
基礎法学、憲法は難しい問題も出てくるので、ここから手を付けるとカウンターパンチで動揺する可能性があります。試験の冒頭で、「難しい!分からない!」となるパニック回避は大切な事です。
問題文が長いものは飛ばして印をつけておく、解けるものから解いていく、これが基本です。
そして、「解けない!」と思った問題も、落ち着いてから読み返すと解けるようになるのは良くある事です。解けないとなったら、まずは一度寝かしておきましょう。でも解き忘れにも注意してくださいね。そしてマークシートのマーク間違いにも気をつけて。

・一般知識は文章問題から
足切りのある一般知識は、範囲が広くて案外厄介だと思います。なので、とにかく文章読解の問題3つは落とさない。これが鉄則です。時間がかかっても、ここはしっかり解きます。私は大事を取って1問5分かけるつもりで慌てずに解いていました。時間をかければまず取れるはずです。その為に、時間配分を間違えないようにします。24点で足切りですので、文章3つ(12点)が取れれば、半分クリアです。後3問で足切りから抜けられます。大丈夫です。
文章以外の問題は、分からなければ消去法で行きます。どれがそれっぽいか、うそっぽいか。恐らく全てを知識で解ける人はいないはずです。
個人的には、この科目は行政書士が業務を行っていく上で必要とされる、思考の柔軟性と方向性の確かさを見ているのだと思っています。分からない問題が出ても、「分からない!!」と慌てず、「これはないな」というものを削除して残ったもので考えていきましょう。

・試験前夜、眠れなくても大丈夫です
通常私は寝つきが良い方なのですが、試験の前夜、ほぼ眠れませんでした。こんな状態で明日大丈夫なのかしらと思うほど眠れない。新聞配達の音を聞いて絶望的な気持ちになる。そして朝を迎える。でも大丈夫です。人間1日ぐらい眠れなくてもちゃんと闘えます!試験当日まで頑張ってきた脳は、ちゃんと動いてくれます。大丈夫です。試験が終わったらゆっくり眠れば良いのです。試験前夜に眠れなかった合格者はいっぱいいます。うちの事務所にも2人該当者がいます(笑)良く聞く話しです。安心してください。

長くなりましたが、後2か月、体調管理にはくれぐれも気を付けて頑張ってくださいね!

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