2026年現在、日本の生涯未婚率は男性で約28%、女性で約18%だと言われています。
さて、おひとりさまが亡くなった時、その方の遺産はどうなるのでしょうか?
おひとりさまが遺言書を作成していなければ、民法が定める通り「法定相続人」が相続する事になります。
つまりおひとりさまの両親、両親が亡くなっていてまだ祖父母がいらっしゃれば祖父母が相続人となります。祖父母、両親が既に他界していれば、おひとりさまの兄弟姉妹が相続人です。
さて、ここで問題です。兄弟姉妹には自分の遺産を渡したくない場合、渡さない事は出来るのでしょうか?
この記事の目次
・兄弟姉妹に渡したくない場合
・甥姪に渡したい
・いとこに渡したい
・婚姻関係にないパートナーや親友に渡したい
・支援したい団体等に渡したい
・自分の死後も、自分の資産の使い方は自分で決める
・遺言書は何度でも作り直せます
兄弟姉妹に渡したくない場合
法定相続人に全く相続させない事は「遺留分」があるから出来ないのでは?
と考える人がいらっしゃると思います。
しかし、「遺留分」があるのは親、子、孫などの直系血族だけです。直系血族が居る場合は「遺留分」に配慮した遺言書の作成が重要ですが、兄弟姉妹は傍系血族ですので遺留分はありません。つまり、全く相続させない事は可能です。どうすれば良いのかというと「遺言書の作成」です。
甥姪に渡したい
さて、兄弟姉妹ではなく、可愛がっている「甥姪」に相続財産を渡したい。
そう思う方は一定数いらっしゃるかもしれません。実際、私の知人でそう言われていた方がいらっしゃいました。
その場合にもやはり「遺言書の作成」が必要です。甥姪は法定相続人ではないので、遺言書の中では「相続」ではなく「遺贈」すると書き記します。
しかし、遺言書作成時には甥姪の親御さんである兄弟姉妹がご存命であったのに、おひとりさまより先に亡くなられる場合があります。
その場合、甥姪は代襲相続により「相続人」になります。そのようなケースに備えて「遺贈」を「相続」に読み替える、という内容も遺言書には書いておくことをおすすめします。
いとこに渡したい
さて、兄弟姉妹がいない一人っ子のおひとりさまの場合を考えてみましょう。
例えば、仲の良い「いとこ」がいたとします。いとこは「法定相続人」ではありませんので、おひとりさまが亡くなった後、色々と迷惑をかけるかもしれないから遺産をいくらか渡しておきたいと思った場合にも、やはり必要なのは「遺言書」です。この場合も、当然の事ながら「遺贈」となります。
以前、NHKのおひとりさまの特集で、おひとりさまが亡くなった後持ち家がそのままになっており、親族はいとこしかおらず、法定相続人ではないのでどうする事も出来ない事が問題になっていました。
こういった状況にならない為には、まずは遺言書、そして死後事務委任契約等を考えておく事も必要です。
婚姻関係にないパートナーや親友に渡したい
法定相続人以外の人に遺産を渡したい場合、やはり「遺言書」しか方法はありません。当然のことながらこれは「遺贈」となります。
繰り返しになりますが、両親等直系血族には「遺留分」がありますが、兄弟姉妹等傍系血族には「遺留分がない」ので、遺言書で「全てを遺贈する」と記したとしても、直系血族がいらっしゃらなければ遺留分の問題は生じません。
ただし、遺言書の有効性等で法定相続人と揉める事も考えられるので、自筆証書遺言書ではなく、公証人、証人(2名)の立ち会いのもとで作成する公正証書遺言書での作成をおすすめします。
支援したい団体等に渡したい
ところで、遺贈といえば人だけではなく、団体等へ遺贈する事も可能です。
最近テレビで見たのは動物園への遺贈でした。確か、推しの動物がいらっしゃる方が動物園の環境を整えるのに使って欲しいという思いを込めて遺贈されるという内容でした。
他には、地方自治体への遺贈もあります。当事務所のある奈良県生駒市では「遺贈寄附」と「相続寄附」の受付をしています。自分が住む街の人たちに役立てて欲しいと思う方への呼びかけを生駒市では行っています。
その他、ボランティア団体も遺贈の呼びかけをしているところが多くあります。
自分の死後も、自分の資産の使い方は自分で決める
おひとりさまの遺産は、遺言書がなければ法定相続人が相続し、法定相続人がいなければ最終的に国庫に帰属する事になります。
自分の資産は自分の死後も使い方は自分で決めたいと思う方には「遺言書」が必須です。
そして、遺言書の通りに遺産の分配が実行される為には、遺言執行者の指定が重要です。
遺言執行者とは、遺言者の死後に遺言の内容を実現するための手続きを行う人の事です。士業へ依頼する方は多く、当事務所でもお受けしています。
遺言書は何度でも作り直せます
遺言書は一度作成したら変更できないというものではなく、いつでも書き直せます。
最新の日付の遺言書が正式な遺言書となります。公正証書遺言書を作成した後、自筆証書遺言書を作成したとしましょう。その場合でも、後から作成した自筆証書遺言書が有効な遺言書という事になります。
まずは、自筆証書遺言書を作成してみる。そして将来、これで確定だと思った時に公正証書遺言書を作成するというのは良い方法だと思います。
ご自身の遺産をご自身が決めた人に残したいと思われるのなら、遺言書の作成しかありません。
遺言書を作るのはもっと先で良い、今はまだ早いと思われるかもしれませんが、そう思っているうちに遺産が国庫に帰属となる人は案外多いものです。
最近では、ドラえもんの声優で知られる大山のぶ代さんの約2億円の遺産が全額国庫に入ったという報道がありました。遺言書が無かったからです。
他にも資産家の男性が国庫帰属は避けたいと言われて弁護士にも相談していたのに、結局遺言書作成には至らず、数億円の遺産が国庫帰属となったという記事を新聞で読んだことがあります。
という訳で、遺言書作成にまだ早いはありません。まずは現時点での気持ちを反映した遺言書を作成する。数年後、そうじゃないと思ったらまた作り直してみる。
遺言書はアップデートするものと思った方が良いと思います。いつでもご相談ください。
初回無料相談
お気軽にお問い合わせください
※その他の報酬、お支払い方法についてはこちらをご確認ください

