令和6年度行政書士試験合格発表がありました
令和6年度の行政書士試験合格発表がありました。
合格された方、おめでとうございます!
今回の合格率は12.9%でした。令和5年の合格率は13.98%でしたので、前年よりは難しくなったと言えますが、例年並みだったという結果になりました。因みに、令和に入ってからの合格率の平均は約12%です。当事務所の代表が合格した令和2年は10.72%、私が合格した令和3年は11.18%でしたのでここ数年若干高い合格率になっていると言えます。
行政書士試験は300点満点中180点を取れれば合格、つまり6割取れれば合格という試験です。そう聞くと難易度は高く無さそうに思う方が多いと思います。また、相対評価ではなく絶対評価ですので、180点を超えていれば、他の受験者がどれだけ点を取ろうが合格する試験です。
しかし、実際にはそんな簡単な話しではないというのを受験者は身をもって知っています。
難問が多い中で6割を取るのは大変な事です。出題者も、ほとんどの人が答えられないだろうと思って出している問題が複数存在しています。例えば憲法は司法書士試験よりも難しい問題が出てくる事もあると言われています。また、絶対評価とはいえ、記述問題が3問あり、この採点が全体の出来により厳しくなったり易しくなったりと、ここで調整が入ります。結果が出てくるまで、記述の採点は予備校でも予想の範囲でしかなく、誰にも正確なところは分かりません。
その調整が入る事により、毎年10%前後の合格率を保っているのだと思います。
今年は、商法と多肢選択がかなり厳しい戦いになっていました。選択問題だけでは180点に到達できず、結果的に記述の採点待ちの方が多かったのではないでしょうか。
令和5年の合格率が13.98%とかなり高かったので、今年は難しくなるかもしれないと思っていましたので、これは予想通りの展開とも言えました。結果的に合格率は低くなかったので、今年は記述の採点は厳しくなかったのかなという印象です。
ところで、合格ラインが180点と聞くと、180点を目指して勉強する方は多いと思います。しかし、合格者の平均点は毎年190点代です。
私が受験生時代にお世話になった講師曰く、180点を目指しているうちは受からない。200点を超えるぐらいに勉強して初めて受かる。試験には魔物が住んでいます。先に述べたように解けない問題が待っていますから、それに対応する為には200点を目指して勉強する必要がある。200点を目指して、本番で緊張するなど色々あって失点し、結果的に180点を超えた点数に着地して合格する。故に目指すのは200点という事になる。
これはもっともな考え方だと思います。当事務所の行政書士二人も合格した年には200点を超えていましたので、合格している人は180点ギリギリの人よりもちゃんと超えている人が大多数だと思います。
私は180点に4点足りず落ちた時には、後少しだったのにと思いましたが、合格した時には、あれは惜しかったのではなく、当然の結果だったのだと感じました。
今回残念ながら不合格だった方。結果は出ていなくても、学んだ事は人生にとって大きな財産になっていると思います。まずはゆっくり休んでください。そして、今度こそと思える方は来年再度チャレンジしてください。ある講師が言っていましたが、少しでも未練がある人は、一度離脱しても戻ってくるそうです。それなら、間を置かずに勉強した方が合格には近づくと。確かに記憶は日々無くなっていきますので、一旦離脱するとその時間を取り戻すには時間がかかりますよね。
一方、もうこれ以上出来ない、やり切ったと思われている方は、離脱するのは間違っていないと思います。毎年約10人に1人しか合格しないのですから、決して簡単な試験ではありません。1年という時間は長く、貴重なものです。この資格が何故欲しいのか、自分にとってどんな意味、価値があるのかを客観的に考える事は大切だと思います。
行政書士はとてもやりがいのある仕事です。業務が完了した時に、依頼者のほっとされたお顔を見る度、この仕事に就いて本当に良かったと嬉しくなります。
開業される方は、個人事業主になる訳ですので、これから実務の勉強もさることながら、営業、経理なども全て自分で行う必要があります。しっかり準備してください。
また、ダブルライセンスを考える方も多いかと思います。自分のやりたい業務にとってプラスになる資格を取る事はお薦めします。とはいえ、資格は資格でしかありませんので、それが役に立てられるかどうかは自分次第です。良く考えて進んでください。
最後に。合格された方、本当におめでとうございました!来年も挑戦される方、頑張ってくださいね!