郵便貯金の権利消滅、ご存知ですか?
年末が近づいてきました。今年こそは実家に帰省する、という方も多いかもしれません。
そんな家族が揃う機会がある前に、ちょっとお知らせしておこうかしら、というのが本日のお話しです。
郵便局にお金を預けている人は多いかと思いますが、「権利が消滅する場合がある」ってご存知ですか?つまり、自分のお金を預けたのに返ってこない、権利が消えてなくなるという怖いお話しです。
該当する貯金は次の通りです。
・郵政民営化前、2007年(平成19年)9月30までに預けたもの
・定額郵便貯金、定期郵便貯金、積立郵便貯金のいずれかである
・満期日の翌日から20年2か月経過したもの
この内容に該当する場合、その預金は消滅します。怖いです。法律でそう定められているので、知らなかったといっても返金してもらえません。
定額郵便貯金の場合、満期は10年ですので、預入から10年+満期後20年2か月経過すると、2007年9月30日以前に郵便局に預けていたものは、払い戻しして貰えないという事になります。
そんなに長期間放置している事はないだろうと思うなかれ、です。
昨年2021年には、この権利消滅の総額が何と457億円にも達しています。老後の資金は貯金してちゃんと確保していると思っていたら、消えてなくなっていたという方もきっとこの中に含まれていますよね。
という訳で、久々にご家族で揃った時に、世間話しの一つとして
「郵便局に昔預けた貯金って、そのままにしておくと返金されない事があるって知ってる?2007年9月30日以前に預けた貯金ってあったりする?」
という話しをしてみてはいかがでしょうか。
因みに、払戻しはご本人が窓口に出向く事が基本ですが、代理人が行う事も可能です。その時には、名義人の委任状が必要です。
<本人が解約する場合>
- 名義人の本人確認書類(運転免許証、運転経歴証明書、マイナンバーカードなど)
- 預金証書
- 届出印
<代理人が解約する場合>
- 委任状(名義人が自書)
- 満期を迎えた預金証書
- 代理人の印鑑
- 名義人の本人確認書類(運転免許証、運転経歴証明書、マイナンバーカードなど)
- 代理人の本人確認書類(運転免許証、運転経歴証明書、マイナンバーカードなど)
因みに、ゆうちょ銀行から通知は来ます。権利消滅しますよ、という文書ですが、見落としている人、意味が分からない人が一定数いると思います。また、預け入れをしてから引っ越しをした場合、ゆうちょ銀行に住所変更をしなければ通知が届きません。30年経過した後の通知ですので、その間に引っ越しをしている人は結構いますよね。
という事で、預けていたお金が消えてなくなる場合がある、という怖いお話しでした。ご自身の貯金もぜひ確認してみてください。
<外部リンク>
【追記】
郵便貯金の権利消滅については、その後、令和6年1月4日より要件が緩和されました。
「真にやむを得ない事情があったと認められる事情があったと認められる場合には、当該請求に応じます」としています。認められる場合の例として「被相続人名義の貯金の存在を相続人が認識していなかった場合」「預金名義人以外の者が貯金を管理していなかったため、名義人本人が事故の名義である貯金の存在を認識していなかった場合」「親族の看病・介護があったこと」等としています。
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