おひとりさまが亡くなられた時の戸籍謄本の取得について

前回「戸籍謄本と相続」についてお話ししました。今回は、今後増えるであろう「おひとりさまが亡くなられた時の戸籍謄本の取得」についてお話したいと思います。

人が亡くなり遺言書が残されていないと、相続手続には故人の出生から死亡までの全ての戸籍が必要になるという話しを前回しました。(前回の記事へはこちらをクリックしてください)
おひとりさまの場合も勿論その方の出生から死亡までの戸籍が必要ですが、その方にお子さんが居ない場合は更に多くの戸籍の取得が必要となります。
具体的に見て行きましょう。

【子がいる場合】

  • 亡くなったおひとりさまの出生から死亡までの戸籍
  • 子の戸籍

【亡くなった子がおり孫がいる場合】

  • 亡くなったおひとりさまの出生から死亡までの戸籍
  • 亡くなった子の出生から死亡までの戸籍(おひとりさまから見た孫の確定の為)
  • 孫の戸籍

【子はいないが親がいる場合】

  • 亡くなったおひとりさまの出生から死亡までの戸籍
  • 親の戸籍

【子も親も居ないが兄弟姉妹がいる場合】

  • 亡くなったおひとりさまの出生から死亡までの戸籍
  • 両親の出生から死亡までの戸籍(兄弟姉妹、異父母兄弟姉妹の確定の為)
  • 兄弟姉妹の戸籍

※異父母兄弟には、兄弟姉妹の相続分の1/2の相続権があります

【子も親も兄弟姉妹もいないが甥姪がいる場合】

  • 亡くなったおひとりさまの出生から死亡までの戸籍
  • 両親の出生から死亡までの戸籍(兄弟姉妹の確定の為)
  • 亡くなった兄弟姉妹の出生から死亡までの戸籍(甥姪確定の為)
  • 甥姪の戸籍

【子も親もいないが、兄弟姉妹と亡くなった兄弟姉妹がおり姪甥がいる場合】

  • 亡くなったおひとりさまの出生から死亡までの戸籍
  • 両親の出生から死亡までの戸籍(兄弟姉妹の確定の為)
  • 存命中の兄弟姉妹の戸籍
  • 亡くなった兄弟姉妹の出生から死亡までの戸籍(甥姪確定の為)
  • 亡くなった兄弟の子(甥姪)の戸籍

いかがでしょうか。非常に沢山の書類の取得が必要になる事をお分かり頂けたと思います。
今後、子はなく両親が他界し、兄弟姉妹が全員もしくは数人が他界して甥姪が相続人になるケースも増えると思います。その場合の戸籍の取寄せはなかなか大変な数になります。(甥姪の相続についてはこちらをご覧ください)

相続手続の困難さは、この相続人の特定戸籍等公的書類の取寄せ、そして相続人全員で協議して相続配分を決める事にあります。
どうすれば相続手続で相続人を悩ませずに済むのでしょうか。それには、これしかありません。「遺言書」の作成です。

遺言書があれば、相続手続上一番大変な「遺産分割協議」(遺産をどう分けるかの話し合い)は回避できますし、手続きに必要な書類も確実に減少します。遺言書を残すほどの財産はないから必要ない、と思うかもしれませんが、相続手続をするのに遺産の多い少ないは関係ありません。
あなたが何を残したのか、伝えて貰わないと遺族は何が残されたのかを調べる事から始める事になります。
また、遺産分割協議は相続人全員が揃って話し合わなければ無効ですので、疎遠な相続人がいる、または被相続人(亡くなられた方)の死後初めてその存在を知ったという相続人が居る場合、その方を探し出すところから始まりますので話し合いを始める事がそもそも大変になってしまいます。

おひとりさまの方は、遺言書の作成を考えてみてください。そして兄弟姉妹からの相続が発生したら、相続人を正確に把握する為に、専門家にご相談ください。行政書士は相続人調査・特定を文書化する「相続関係説明図の作成」をご依頼を頂ければ、戸籍の取得を行えます。

遺言書作成、相続手続について、当事務所にいつでもご相談頂ければと思います。

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